うえだNaviまとめサイト構築事業

背景と目的

2005年前後にはじまったFacebookやTwitterなど、主要なSNSが社会に浸透してきた現在、様々な社会現象によって新たな利用方法が見出され、10年以上に渡って利用者による投稿の蓄積が行われてきました。

環境への対応が都市部より遅れてくる地方都市においても、時間と共に情報の蓄積量が増えてきたこともあり、上田地域においてもSNSから情報を選択できるレベルに達してきております。

そこで、上田地域に関わった人たちの発信(蓄積)したSNS情報を、テーマごとに収集し、整理することで、個人では知っているが、あまり広く注目されてこなかった地域の魅力的なコンテンツを発掘し、多くの人の目に触れる状態を創り上げていくためのウェブサイトを構築します。

まとめサイトによる研究テーマ

「まとめサイト」という形態を選択した理由は、ウェブ上に存在する情報と実際の地域意識のギャップを明確にし、現実とウェブのずれを把握することです。

情報環境が著しく変化した現在、生活情報から趣味に至るまで、様々な情報をウェブ上で検索する世代へとシフトしてきています。また、観光の在り方も同様に変化しており、観光客は事前にウェブ上の情報を頼りに観光ルートを設定します。観光分野にも力を入れている信州上田は、ウェブ上にどれだけ「実際の上田市」または「訪れて欲しい上田市」を表現できているのか、という検証をする必要があります。

学生連携

まとめサイト構築にあたって、長野大学環境ツーリズム学部を中心とした学生とタイアップし、記事作成を行ってもらっています。

学生がまとめ記事を作成する大きなメリットとして、現在の長野大学は上田市外から入学してくる人材が多く、上田地域への先入観なくネットサーフィンが行えるため、研究テーマである「ギャップ」を抽出するのに適任と考えました。

生活の大半をウェブ情報による検索で取得する時代となった今、新天地で生活を始める学生たちにとって、いかに円滑に地域情報が取得できる環境が必要か、という目線で取り組んでもらうことで、上田地域のウェブ情報の現状、偏りや不足情報を把握することにもつながっていきます。

目指す事業効果

無料で、しかも24時間いつでも気軽に情報発信が出来るようになったSNS社会ですが、事業者本人によるSNS発信は、基本的にDM(ダイレクトメール)の考え方であり、既存の顧客に向けた情報発信の側面が大きいものです。さらには、SNSの特性上、リアルタイムで一過性の情報ソースのため、継続的なサービス情報などがあっという間に埋もれてしまうのも特徴であり、事業者による新規客獲得へのアプローチとしては不向きなツールでした。

しかし、この「まとめサイト」が機能すると、各事業者の投稿がテーマごとに記事としてまとめられることによって、一過性のSNS情報であるにもかかわらず、継続的に検索対象として投稿が読まれることになります。事業者にとっては瞬間的な投稿であっても、まとめ記事を作成することで、読者にとっては重要な情報源としていつでも見つけやすい環境が整うことになります。

また、ウェブ上に地域の魅力情報がまとめられていることで、地元に限らず、各種メディアによる情報収集の網にかかり易くなり、様々な媒体によって紹介される機会が増加します。同様に、市外の観光客が上田地域を目指した観光を計画した際に、上田地域の検索によって参考となる情報源としての役割を果たすものにもなります。

最後に

うえだNavi編集部は、2007年よりフリーペーパーという媒体で、この「まとめ」作業を行ってきました。編集部数人による活動、フリーペーパーというアナログ媒体によって、月刊誌という速度で、地域の情報をまとめてきました。

しかし、世界がインターネットによって繋がれ、5Gという高速通信が実現するデジタル社会がいよいよ本格化するこれから、地方都市がその存在感を確固たるものにするためには、ウェブ世界への本格参入が必要であることは明白です。

この時代の節目に、地域社会が効率的な変化対応を行うため、世代を越えた「情報」の共有を目指す環境づくりを実現することが使命と捉え、上田地域の発展のため、さらに研究を深めて参ります。

上田ブランド研究所 所長
うえだNavi編集長
池松勇樹